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ワタナベタツヤ/サロンコンサルタント・現役フリーランス美容師のブログ。

インボイス制度による業務委託美容師の終焉?

こんにちは!wataです!


美容業界でブームとなり定着した業務委託形式サロンですが、インボイス制度導入によって業務委託サロンが終わるとなにやら騒がれています。
断言しましょう。
インボイス制度業務委託が終わるなんてありえません。

従来の雇用で経営を続けているサロンのひがみみたいなもんです。


そもそももはや業務委託やフリーランスと雇用のどちらがどうのかとか言ってる人は全くズレてる人達です。

 


Ⅰ.業務委託?社員?

業務委託が美容業界でブームと言いましたが、委託業態、フリーランスの需要は業種問わず高く美容業界のみで流行している訳ではないのはご存知かと思います。
いわば、働き方のトレンドです。
業務委託サロンが出始めた10年前、
『三日で10万稼いだ』『月収50万です』『土日も休み放題だよ』なんていう当時のサラリーマン美容師からはまことしやかな情報が飛び交い、サラリーマン美容師はそういった業務委託サロンに対しての嫉妬から『業務委託叩き』の風潮が巻き起こります。
これはそれより前ですと美容業界を席巻し他業種からもその経営が注目を集めたチェーンサロンEARTHに対する『EARTH叩き』と同じ風潮ですね。
こういったサラリーマン美容師や社員制度採用のオーナーからのつまらない嫉妬によりあまりいいイメージを持たれてない両者ですが(今はだいぶネガティブイメージは払拭されてますが)今回のインボイス制度により囁かれる業務委託の終焉も同じ様なただの嫉妬だと思っています。


業務委託のシステムは節税で手取り額を増やせる仕組みにより同じ総収入でも会社員より手取り額を増やす事ができる点にあります。
これは詳しく説明すると長くなるので省きますが、会社員が業務委託に移って収入が上がったというのは真に受けてはいけない部分もあります。税込み収入が会社員時代と同じでも節税で手取りは増えます。しかし納税額が下がれば社会的信用も下がるわけですが、どうもこれについてしっかり理解している美容師さんが少ないという現状から『業務委託=楽して稼げる』というイメージが蔓延しました。

しかし間違いなのは『楽して稼げる』点です。
業務委託は間違いなく稼げます。当たり前です完全歩合なので
やればやるだけ稼げるのです。
ただし、これはハイリスクハイリターンという意味合いなだけなのを勘違いしないで頂きたい。
業務委託サロンの出始めの時代は優秀なスタイリストをヘッドハンティングしてくる事がほとんどでした。
完全自由自己責任なフリーランス、業務委託において本来生き残れるのは顧客を抱えた実力ある美容師だけだったはずなのです。さらに実力もさることながら、そういった実力ある人間はクセがあったとしても自己管理とモラルにおいとは信頼出来る人間と言えます。
しかし、時代の流れと共に業務委託サロンやフリーランスは流行し自己管理やモラルの欠如した人間が業務委託サロンの欠点やデメリットの部分を誇張しているとも現状認識しています。


そういった問題が業務委託サロンのイメージの悪化を担っていたのは間違いありませんが、実際は冒頭で話した単なる "嫉妬" がほとんどだと思います。


皆自分の生き方や働き方が一番だ!と肯定したいものです。


しかしこれからの時代は働き方よりも、本質的な部分である "実力" が正しく評価される、裏を返せばそれがないものは淘汰される

いわゆる格差社会がもう訪れています。


Ⅱ.業務委託美容室と従来の美容室の差はもう無くなる


業務委託美容師と正社員美容師、またはサロンの差は今後ほぼなくなります。


収入でいえば節税がメリットとして業務委託やフリーランスは成り立っていましたが、インボイス制度や税務調査の強化などが近年騒がれていますが
簡単に説明すると、業種問わずフリーランスが増えたため節税がすすみ国の税収が悪化した為フリーランス個人事業主に対する取締りや課税が強くなってきたという訳です。


これを見た正社員美容師や正社員制度のサロンオーナーは『それ見たことか!』と、これみよがしに業務委託サロンを叩き始めさも自分達は正しかったと誇らしげな顔しますが
じゃあそういった方達が業界の問題に対して向き合って変えたのか?と、聞かれたらどうでしょう。僕にはとてもそうは思えません。
業務委託サロンは時代の流れに合わせてサロン経営や美容師のワークライフバランスについて大きな影響を与え、業界の在り方に一石を投じた一大トレンドです。
もちろんそれには沢山の問題もありましたが、『業務委託サロンの時代は終わった』なんて言ってる人はかなり的外れです。


なぜかというと、本当の意味で業務委託が一大トレンドを築いたのはその業態ではなく
『個の力がより評価され、試される時代』
これが本質です。


業種問わず個人事業主の節税メリットは少なくなってきますが、逆にフリーランス個人事業主が増えた事で金融関係の査定も見直されてきていますし
社員は働き方改革でフレックスなどでフリーランスに近いワークライフバランスが叶いつつあります。


いまフリーランスと社員の業態としての差は無くなってきています。


結局残るのは『個の力』です。


SNSの発達はメディアの多様化とセルフプロデュースの自由化を生み、忖度無しの個人でのプロモーションが可能になりました。


そういったた中で我々美容師が学ばなければならないのは、業態についてでもSNSの使い方でもありません。


コンテンツの充実化、つまりサロンの "質" を高める以外にありません。


今一度、シンプルに美容師という職に向き合ってみませんか?


美容師の在り方をもう一度見つめ直していきたいです!